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今回は引当金について説明します。

引当金は、3級で貸倒引当金を学習しましたが、2級ではこれに加えて、修繕引当金、退職給付引当金、商品保証引当金の3つを学習します。

1.修繕引当金

①修繕引当金とは

所有する資産の修繕を行った場合、通常、『修繕費』(費用)として支出した期の費用として処理します。

しかし、建物・備品などの固定資産は、3年毎、5年毎といった定期的な修繕が必要な場合があります。例えば5年毎に建物の外壁を修繕する場合、支出した期に費用として処理してしまうと、5年間を通して費用として計上されるべき金額が、支出した1期間で全額費用計上される結果となり、適切ではありません。

そこで、当期に修繕が行われない場合でも、次期以降に行われる修繕のうち、当期に負担させるべき費用を見積り『修繕引当金繰入』(費用)として計上するとともに、『修繕引当金』(負債)を計上します。

このように、次期以降の修繕に備えて当期の負担分を引き当てることにより、適切な期間損益計算を行うことが可能となります。

例)決算において、次期以降の修繕に備え¥5,000を引き当てた。

(修繕引当金繰入)  5,000 /(修 繕 引 当 金)  5,000

②修繕を行った場合

修繕引当金を設定した翌期以降に、修繕を行い、修繕費を支払った場合には、当該修繕のために引当てた修繕引当金を取り崩します。

そして、支払った修繕費が、引当てた修繕引当金の金額を超過する場合には、当該超過部分は『修繕費』(費用)として処理します。

例)当期において定期修繕を行い、修繕費¥25,000を小切手で支払った。なお、当該定期修繕のために、修繕引当金¥20,000を計上している。

(修繕引当金)  20,000 /(当座預金)  25,000

(修 繕 費)   5,000 /

2.退職給付引当金

①退職給付引当金とは

退職金は退職時に支払われるものですが、これは従業員が長年勤務した対価として支給されるものです。そのため、退職金を支給したときに一時に費用として処理するのではなく、勤務期間にわたって各期に負担させる必要があります。

そこで、決算において、当期に発生した(当期に負担させる)退職金の額を見積り、『退職給付費用』(費用)として計上するとともに、『退職給付引当金』(負債)として計上します。

例)決算において、退職給付引当金¥4,000を引き当てた。

(退職給付費用)  4,000 /(退職給付引当金)  4,000

②退職金を支払った場合

退職金を支払った場合は、設定した退職給付引当金を取り崩します。

例)従業員が退職したため、退職金¥20,000を現金で支払った。なお、同額の退職給付引当金を取り崩す処理を行った。

(退職給付引当金)  20,000 /(現     金)  20,000

3.商品保証引当金

①商品保証引当金とは

商品の販売時に、一定期間の修理保証を付けて販売することがあります。

このような場合には、商品の販売後、保証期間内であれば無料で修理を引き受けることになるため、決算において、当期に販売した保証付き商品について、次期以降に生じると予想される修理費用を見積り、『商品保証引当金繰入』(費用)として計上するとともに、『商品保証引当金』(負債)として計上します。

こうすることで、当期の売上収益と、売上をあげるために必要な修理費用(保証にかかる費用)を適切に対応づけることができます。

例)決算において、当期の保証付き販売に関して、次期以降に見込まれる修理費用¥3,000を引当てた。

(商品保証引当金繰入)  3,000 /(商品保証引当金)  3,000

②修理を行った場合

保証期間内に無料で商品を修理した場合、設定した商品保証引当金を取り崩します。

例)前期に販売した保証付き商品について修理を依頼され、修理費用¥300を現金で支払った。なお、商品保証引当金の残高は¥3,000である。

(商品保証引当金)  300 /(現     金)  300

4.試験上のポイント

2級で学習する引当金の論点はいずれも仕訳の形を覚えれば対応が可能です。

3級で学習した貸倒引当金では、期末における売上債権に対して一定率を掛けて引当金額を算定していましたが、2級で学習する引当金(修繕引当金、退職給付引当金、商品保証引当金)は問題文で金額の情報が与えられます。

従って、これらの学習においては、仕訳の形を意識して覚えるようにしましょう。